最終面接通過率が65%アップ?!中途採用におけるペルソナ設定の重要性
採用活動を行っていく中で、履歴書や職務経歴書を見る限り有能と思われるような人材であっても、
実際に入社していただくと、期待していた活躍をしていただけなかった、本人の才能を十分に発揮できなかった等、採用を行う中で一度は経験したことがある採用担当者は多いのではないでしょうか?
この課題の解決方法として、ペルソナ設定があります。
ペルソナをきちんと設定し採用活動を行うことで、より自社の求める人物の採用につながる、
また入社していただいたご本人も即戦力として活動していただける、
つまり質と効率の良い採用活動に繋がる可能性があります。
実際当社においても、中途採用活動を行う際にペルソナ設定を行うようになってから、最終面接通過率が65%アップし、定着率が30%向上しております。
そこで今回は、採用活動におけるペルソナ設定の重要性と、その方法について解説していきます。
目次
1.ペルソナとは
2.ペルソナ設定を行うメリット
3.ペルソナの設計方法
1.ペルソナとは
そもそも採用におけるペルソナとは何か。「ペルソナ」とは、サービスや商品の典型的なユーザー像のことで、主にマーケティング領域で使われる言葉です。
採用活動におけるペルソナとは、自社が採用したい人物像を詳細に作り上げることを指します。具体的には、実際に実在している人物のように、年齢、性別、家族構成、職歴、資格、趣味、ライフスタイルなど、自社が採用したい架空の人物像を設定し、採用したい人物像をイメージしやすくします。
ペルソナを設定したうえで採用活動を行うことで、より自社にマッチした採用ができ、入社後のミスマッチを防ぐだけではなく、早期退職防止にも効果的と言えます。
また、経営層や現場が求める人物像と、採用担当者がイメージする人物像とのズレを無くすためにもペルソナ設定は有効な方法と言えるでしょう。
2.ペルソナ設定を行うメリット
まずは、中途採用を行うにあたって、どうしてペルソナ設計を行う必要があるのか、そのメリットについて解説します。
①採用したい人物像の明確化と認識の統一ができる
経営陣・現場・人事の三者間で採用したい人物のペルソナの認識を共有することで、経営陣と現場双方が納得する採用につなげることができます。
さらに採用担当者が複数いる場合は、事前にペルソナを共有しておくことで採用基準を統一することができ、採用すべき人材の取りこぼしを防ぐことができます。
すなわち、採用活動の質の向上につながります。
②効率的な採用活動に繋がる
採用したい人物像を明確化することで、効率の良い採用活動に繋がります。
人物像を明確化することで、求職者の訴求ポイントの理解に繋がるでしょう。
例えば、子育て中の営業マンであれば、残業や出張をこなしながらの家事育児に悩んでいることが予想されます。
出張の有無や残業時間の少なさをアピールすれば、応募の促進につながるはずです。
このようにペルソナを設定することで、求める人物像にマッチする人からの応募に繋がり、効率的な採用活動を行うことができると言えます。
③ミスマッチを防ぐ
面接での判断基準を今までの経験やスキルのみに絞って採用活動を行うことにより、職場の雰囲気にマッチしない人の採用に繋がり早期退職に繋がってしまうこともあるでしょう。
しかしながらペルソナ設定を行うことで、採用したい人物像をイメージしやすくなり、ミスマッチを防ぐことができます。
3.ペルソナの設計方法
ペルソナ設定のポイントは、採用したい人物をわかりやすくイメージするために、詳細な設定を行う必要があります。といっても、実際どのようにしてペルソナ設定をしたらいいのでしょうか。
ここからは具体的なペルソナの設定方法を解説します。
①採用目的の明確化
まずはペルソナ設定の前に、「何のために、どんな人材を採用するのか」など、採用の目的を明確にします。
新規事業のために採用を行うのか、欠員補充のために募集を行うのか、目的を洗い出します。
ここでは採用担当者のみで検討するのではなく、経営陣や現場にも必ずヒアリングを行います。経営陣の思い描く会社の方向性と、現場が抱える課題を把握することで、より現場の求める人物の採用が可能となり、入社後のミスマッチも防ぐことができます。
②求める人物の性格やスキルの洗い出し
採用の目的を明確化したら、次に求める人物像の要件を書き出します。
まずは募集をしたい仕事に必要なスキルを考えます。このスキルというのは、仕事を進めていくうえで、なくてはならない能力のことをいいます。
また、実際に現場で働いている社員の特徴をもとに洗い出すとなお良いでしょう。
仕事面だけではなく、性格面や趣味など質よりも量を重視し、要件を書き出していきます。
③要件の優先順位をつける
要件を書き出したら、次に優先順位をつけていきます。経営陣が考えるペルソナと現場が考えるペルソナのイメージに乖離があり、どちらもすべて取り入れると、非現実的なペルソナになり、採用がうまくいかない可能性があります。
このとき洗い出した要件を、MUSTとWANTに分類していくとよりわかりやすくなります。まず、募集職種の業務内容から、MUSTとなるスキルを検討します。
振り分ける際にスキル面ばかりに注目してしまいがちですが、ここで重要なのは、スキル面だけではなく性格や趣味などもMUSTとWANTに振り分けること。
なぜならスキル面だけ重視してしまうと、人柄や価値観の面でミスマッチを招くことに繋がるからです。
④ペルソナを設計する
要件を洗い出し、優先順位をつけたら、続いてはペルソナ設計にうつります。
ペルソナ設計には特にルールはありませんが、下記に従って設計していくとスムーズでしょう。
年齢:
性別:
学歴:
家族構成:
現職の業務内容:
年収:
資格:
価値観:
人柄:
趣味:
悩み:
応募企業に求めるもの:
上述した通り、年齢や経験、スキルなどの条件面がマッチしているからといって、
必ずしも自社が求める人物とは限りません。
価値観や人柄がマッチしていなければ、入社後期待通りの活躍をするのは難しいでしょう。
どのような価値観を持っている人が自社にマッチするのかということも踏まえてペルソナ設計をしていくことが重要です。
では実際に設定してみましょう。
年齢:28歳
性別:女性
学歴:大学卒(文系)
家族構成:父、母、弟
現職の業務内容:アパレル店員
年収:320万円程度
資格:普通自動車第一種運転免許
価値観:一人で行動するよりも、周囲と協力したときにやりがいを感じる。
人柄:明るくおおらか。初対面の方ともすぐに打ち解けることができる。
趣味:海外旅行。休みの日は友人と過ごすことが多い。
悩み:残業が多く、終電で帰ることは当たり前。仕事の疲れからか休日昼過ぎまで寝てしまうこと。
応募企業に求めるもの:チームワーク。ワークライフバランスを保ちながら仕事ができる環境。
以上のように細かく設定していくことで、イメージがつきやすく採用活動をスムーズに行うことができます。
中途採用活動におけるペルソナとは、自社が採用したい人物像を明確にすることを意味します。
ペルソナを細かく設計することで、採用活動の質と効率を高めることができることは明白でしょう。
先に述べた通り、当社でペルソナを設定を行うようになってから、中途面接の最終面接通過率が65%アップし、定着率が30%向上しました。
そもそも採用活動の最終目的は、入社した方が自社にマッチし長くキャリアを築いていくことです。
優秀な人材を確保できず悩まれている採用担当者の方は、一度自社の採用活動を見直しペルソナを設定した上で、採用活動を行ってみてはいかがでしょうか。