新卒採用とSNSの親和性 ~応募数190%増加の秘訣とは~
近年SNSを利用して就職活動をする学生が増加している傾向にあります。
SNS採用とは、いわゆるソーシャルリクルーティングとも呼ばれ、InstagramやTwitterなどのソーシャルネットワークサービスを通じて就職活動を行うことをいいます。
では今なぜそのSNSを利用した採用が増加しているのか、その背景やメリット・デメリットについて考察していきます。
目次
1.SNS採用が増加している背景
2.SNS採用のメリット
3.SNS採用のデメリット
4.導入のポイント
5.まとめ
1.SNS採用が増加している背景
SNS採用が導入されるようになった背景は、若者世代の情報収集源のメインツールがSNSになっているということが関係しています。
(出典: https://www.disc.co.jp/wp/wp-content/uploads/2020/10/202010_gakuseichosa_k.pdf )
就職活動世代の若者のほぼ100%が「LINE」を利用し、次いだ「YouTube」や「Twitter」も約8割の利用率を誇ります。
今まではGoogleやYahoo!のような検索エンジンを用いて情報収集をすることが一般的でしたが、公式が発表している内容よりも、口コミやリアルな声を信用する傾向にあると考えます。
同様に近年オールドメディアと呼ばれている「テレビ」や「雑誌」を利用し情報収集する若者も減少傾向にあるといえるでしょう。
これは就職活動にも同じことが言えます。
就職サイトのトップサイトとして利用されることが多かった、リクナビやマイナビを利用する学生は減少傾向にあります。
学生の情報収集の仕方が変容したことにより、就職活動の方法も大きく変化したと言えます。
(出典: https://shinsotsu-watch.com/original/2022_sokuhou/ )
2.SNS採用のメリット
学生が多く利用しているSNSで就職活動を行うことに対し、不安や懸念を抱く採用担当者の方も多くいるでしょう。
しかしながら、SNS採用を行うメリットは数多くあります。
(1)自社のイメージを伝えやすい
SNSでは会社の雰囲気や働く社員の人柄など、学生が知りたい内容を自由に発信することができます。
(2)幅広い層へのアプローチ
SNSの強みとして挙げられるのは、拡散力でしょう。ナビサイトでは、登録者しか求人を見れないことが多くあります。その反面、SNSは属性問わず多くの方が登録をしており、誰でも閲覧できる媒体となります。
意図せず閲覧し、興味を持ってもらい母集団形成に大きく貢献することになります。
それに伴い、現在就職活動を行っている学生だけでなく、今後就職活動を行う学生へ自社の情報を届けることにも貢献することができるでしょう。
(3)ミスマッチを防止
ナビサイトでは、発信することができる内容に限りがあり、会社の雰囲気や人柄などの魅力を打ち出すことが難しい傾向にあります。
その点、SNSでは会社の雰囲気や社員の人柄など、求人広告では見えにくいところまで発信することが可能です。
(4)コストの削減
採用活動において一番の問題となってくるのが、コスト問題。一求人を掲載するのに50万、60万かかるのは当たり前です。
しかしながら、SNS採用ではそのコストを抑えることができます。SNSは基本無料で利用できるため、準備段階でコストが発生することはありません。
3.SNS採用のデメリット
SNS採用のメリットをいくつか上述しましたが、もちろんデメリットもあります。
(1)運用に工数がかかる
SNS採用で効果を上げていくために必要なことは、定期的に配信することです。定期的に発信するためには、学生の思考を理解し魅力的なコンテンツを作り続ける必要があります。
そのため、専任の担当を置かなければ運用が難しいことが懸念されます。
(2)短期間で成果が出るのは難しい
SNSは費用もかからず手軽に始められる反面、すぐには成果が得づらいことが課題として挙げられます。学生にアカウントを認知してもらうまでに、時間がかかり、フォロワーが増えないことには採用へ繋がる可能性が低いことが予想されます。
(3)炎上のリスクがある
SNSを運用していく上で気を付けなければならないのが、炎上です。炎上によって、採用活動だけではなく、会社の事業にも悪影響を与えてしまう場合があります。
不特定多数のユーザーに閲覧されるため、内容に十分に注意して投稿しましょう。投稿する前に第三者からみて問題のない投稿かどうか確認した上で、投稿することが望ましいでしょう。
また、ルールを決め運用マニュアルなどを作成する企業も近年増加しています。
4.導入のポイント
続いてSNS採用を成功させるためのポイントを述べていきます。
(1)ターゲットを設定し、コンテンツを策定する
まずはどういった人をターゲットとするのか検討していきます。ターゲットを絞ることにより、発信するコンテンツを決定しやすくなります。
新卒学生向けであれば、先輩たちが入社を決めた理由について投稿したり、研修制度について投稿したりと、ターゲットに合った記事を投稿します。
(2)どのSNSを使うか検討する
SNSには、TwitterやInstagram・Facebook・Tiktokなどの様々なメディアがありますが、それぞれ利用者の特徴や投稿内容の形式に違いがあります。
例えばTwitterであればテキスト、Instagramであれば写真や動画など、それぞれの特徴に合った投稿をする必要があります。
上記で決めたターゲット層にどのSNSを利用するのが適切か選定します。
(3)運用方法を決める
デメリットで述べた通り、SNSの投稿にはかなりの工数が必要のため、できれば専任の運用担当を置くことが望ましいです。個人で自由に投稿するのとは異なり、会社のPR活動の一環として投稿するため、炎上のリスクについてしっかり意識することが必要です。
また、投稿頻度を決めて実装しましょう。頻度を決めずに運用を行うと、優先順位が下がってしまい、結局ほぼ運用せず企画倒れになってしまうことが予想されます。投稿頻度を決め、定期的に投稿を行うことで、ユーザーの関心が薄れることを予防することができます。
5.まとめ
実際に当社もSNS採用を利用し始めてから、新卒学生の応募数が190%増加し、採用費も一人につき15万円程度削減することができました。
母集団形成や採用広報など、使い方次第で様々な効果が期待できるであろうSNS採用。時代の変化とともに、各社採用方法の見直しが始まっています。
採用活動に行き詰まりを感じている企業は、SNS採用によって今まで出会えなかった求職者と会える可能性も秘めているからこそ、SNS採用を検討する価値はあるでしょう。
SNS採用を成功させるためには、自社ターゲット層にあったSNS媒体で効果的な投稿を定期的に行っていく必要があります。
採用活動に広がりをもたせるSNS採用にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。